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プレスリリース

※2015年以前に発表された、プレスリリースの内容を掲載しています。

2011.05
乳酸菌「ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株」の摂取による

インフルエンザウィルス感染防御効果を確認

第65回日本栄養・食糧学会にて発表

「ラクトバチルス・アシドフィルス L-92株」顕微鏡写真

「ラクトバチルス・アシドフィルス L-92株」
顕微鏡写真


カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:山田藤男)は、当社保有の乳酸菌「ラクトバチルス・アシドフィルス L-92株」(以下「L.アシドフィルスL-92株」)にインフルエンザウイルス感染に対する防御作用があることを動物実験で確認しました。この研究成果を5月14日の第65回日本栄養・食糧学会大会で発表しました。


1.研究の背景
 インフルエンザはくしゃみや咳とともに放出されたウイルスを吸い込むことで空気感染するため、感染が起こりやすく非常に流行しやすい病気です。近年の新型インフルエンザの流行は記憶に新しく、インフルエンザの予防、治療法に関心が集まっています。

当社はこれまで、「L.アシドフィルスL-92株」が花粉症・通年性アレルギー性鼻炎の症状緩和作用およびアトピー性皮膚炎の症状緩和作用を示すことを確認してきました。
こうした結果から、「L.アシドフィルスL-92株」には免疫機能を調節する作用があると考えられていました(※1)。そこで、免疫機能のひとつである感染防御効果も期待できると考え、インフルエンザウイルスに感染させたマウスを用いて「L.アシドフィルスL-92株」の効果を確認しました。

2.研究成果の要旨
【インフルエンザ抑制作用】
 「L.アシドフィルスL-92株」を投与したマウスにインフルエンザウイルスを感染させ、その影響を評価しました。
その結果、「L.アシドフィルスL-92株」を投与した群は、生理食塩水を投与した対照群と比較して、肺のウイルスの増殖を抑制しており、インフルエンザ症状も軽いものでした。

このことから、「L.アシドフィルスL-92株」にはインフルエンザウイルス感染に対する防御作用があることが示されました。

【作用メカニズム】
 「L.アシドフィルスL-92株」は肺のNK活性(※2)を増強することでウイルスの増殖を抑制し、症状を悪化させる過剰なサイトカイン(※3)の産生を抑制する効果がある可能性が示されました。

【まとめ】
 「L.アシドフィルスL-92株」の摂取は、身体の免疫機能を高め、ウイルスなどの病原性微生物に対して感染しにくい身体にする予防効果が期待できます。
当社は、今後も「L.アシドフィルスL-92株」の病原性微生物に対する防御効果を含め、乳酸菌の免疫調節機能全般に渡って積極的に研究を進めていきます。


3.試験内容について
【方 法】
 マウスに「L.アシドフィルスL-92株」を事前に15日間毎日経口投与し、16日目にインフルエンザウイルス[A/PR/8/34 (H1N1)]株を感染させました。その後も5日間継続して「L.アシドフィルスL-92株」を投与して、試験開始から22日目(感染後6日目)までのインフルエンザウイルスの感染に対する影響を評価しました。

試験期間中は一般病態症状観察(※4)と体重測定を実施し,感染後1日、3日、6日目に肺のウイルス数測定、NK活性測定、病理検査、サイトカインなどの免疫調節因子の測定を実施しました。


【結 果】
「L.アシドフィルスL-92株」を21日間毎日投与した結果、対照群と比較し感染後6日目の肺ウイルス数が有意に抑制されました(図1)。また、同じく感染後6日目にはインフルエンザに特徴的な各種症状も有意に抑制していました。
こうした結果により、「L.アシドフィルスL-92株」にはインフルエンザウイルス感染に対する防御作用があることが示唆されました。

 作用メカニズムについて解析したところ、「L.アシドフィルスL-92株」を投与した群は感染後1日目の肺のNK活性が対照群に比べて有意に高値を示しました(図2)。したがって、「L.アシドフィルスL-92株」はウイルスの感染初期に肺のNK細胞を活性化することでインフルエンザに対する防御作用を示すと考えられました。
一方、感染後1日目の「L.アシドフィルスL-92株」投与群の肺サイトカインは、測定した34種類のほとんどが対照群に比べて低値を示しました。その内10種類のサイトカインは対照群に比べて有意に抑制されており、9種類のサイトカインが対照群に比べて抑制傾向を示しました。

感染したウイルスを排除するために様々なサイトカインが産生されますが、それが過剰になると炎症など感染部位の症状悪化を引き起こすことが知られています。「L.アシドフィルスL-92株」は感染初期の過剰なサイトカイン産生を抑制し、炎症を抑えることで肺の病態悪化を防いだものと考えられます。

【結 論】
 これらの結果から、「L.アシドフィルスL-92株」はインフルエンザウイルスの増殖と症状の悪化を抑制する効果があることが示されました。そしてその効果は、NK細胞の活性化と過剰なサイトカイン産生の抑制によるためであることが示唆されました。「L.アシドフィルスL-92株」の継続的な摂取は、インフルエンザウイルスなどの病原性微生物の感染を予防する効果が期待されます。


【用語について】
※1:免疫について
動物の身体に外部から入ってくる病原性微生物や異物を取り除く仕組みを「免疫」と呼ぶ。病原性微生物だけでなく、自分とは異なるものを排除しようとする仕組みであるため、免疫のバランスが崩れると花粉など本来身体に害のないものに対してまで過剰に反応してしまう。その状態がいわゆる花粉症などのアレルギーである。

※2:NK活性
ナチュラルキラー(NK)細胞の活性化度合いの指標。NK細胞は白血球の一種で、活性化するとウイルスに感染した細胞等を排除する作用を持つ。

※3:サイトカイン
細胞から分泌される免疫機能を調節する作用を持つタンパク質。様々な種類があり、機能も多様である。ウイルス感染時には、ウイルス排除に働く白血球を感染部位へ遊走させたり、感染部位に炎症反応を引き起こさせる。

※4:一般病態症状観察
インフルエンザに特徴的な症状をスコア化したもの。マウスの眼の症状、毛並み、行動、呼吸状態などを観察し、悪化の度合いによってスコア化した。


プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
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