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プレスリリース

※2015年以前に発表された、プレスリリースの内容を掲載しています。

2007.09
当社保有乳酸菌「ラクトバチルス・アシドフィルス L-92株」

プラセボ対照二重盲検試験(ヒト試験)で
アトピー性皮膚炎患児の症状緩和を確認

-日本臨床腸内微生物学会(9/8)にて発表-

カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:石渡 總平)健康・機能性食品開発研究所では、当社保有の乳酸菌「ラクトバチルス・アシドフィルス L-92株」(以下「L.アシドフィルスL-92株」)を用いた食品を継続摂取することにより、アトピー性皮膚炎の症状が緩和されることを二重盲検試験(ヒト試験)で確認しました。
 これらは鳥居新平名古屋大学医療技術短期大学部名誉教授らとの共同研究の成果で、9/8の日本臨床腸内微生物学会で発表します。

 当社は、1997年より乳酸菌のアレルギー改善効果について研究を続けており、「L.アシドフィルスL-92株」が花粉症ならびに通年性アレルギー性鼻炎の症状を緩和することをヒト試験において確認しています。
    
 小児アトピー性皮膚炎患児を対象とした症例研究(2005年、プラセボ試験実施なし)で有効な成果が示唆されていたため、今回、「L.アシドフィルスL-92株」摂取群、擬似食品(プラセボ)摂取群に分けた二重盲検試験を実施しました。
 それぞれの食品を8週間にわたって摂取させ、医師が皮膚症状(赤み、湿疹、炎症など)を診察し評価したところ、プラセボ摂取群に比べて「L.アシドフィルスL-92株」摂取群の方が皮膚症状の改善が大きく、アトピー性皮膚炎の治療補助効果を示すことが明らかになりました。


<背景>

 文部科学省実施の児童生徒対象の『アレルギー疾患に関する調査研究』(小中高生:有効回答12,773,554人)によると、アレルギー性鼻炎9.2%(約117.5万人)、喘息5.7%(約72.8万人)、アトピー性皮膚炎5.5%(約70.3万人)の患者数がいることがわかりました。

 アレルギーのなかでもアトピー性皮膚炎は、子どもの発症が多く、年齢を経るにつれて治る傾向にあるようですが、成人になっても続く方や再び発症する方もいるようです。アトピー性皮膚炎は、皮膚に痒みが起きるアレルギーで、皮膚生理機能の異常やハウスダスト・食物成分による過剰反応などが要因のひとつと言われています。長期間の特別な対処法が必要で、短期間ではなかなか改善されないアレルギーとして知られています。

 当社は、保有乳酸菌の一つである「L.アシドフィルスL-92株」が花粉症・通年性アレルギー性鼻炎の症状緩和の働きがあることを確認しています。昨年、同じⅠ型アレルギーであるアトピー性皮膚炎においても同様の働きがあるかどうかの試験を実施し、有効性が示唆されたため、今回、プラセボ対照二重盲検試験を実施し、治療の補助に役立つかどうかを調べました。

<試験内容>

 1歳から12歳のアトピー性皮膚炎患児59名を対象に、「L.アシドフィルスL-92株」粉末100 mgを摂取する群(30名)と擬似食品であるプラセボ群(29名)の2群に分けた二重盲検試験を行ないました。試験をするにあたり、摂取前の症状観察期間(4週間)と摂取期間(8週間)を設けました。

 対象者には、①摂取する4週間前(観察期間前)、②摂取を開始した時、③摂取開始から4週間後、④摂取開始から8週間後の計4回、病院に来院してもらい、皮膚症状の観察、ステロイド軟膏の使用量、白血球の減少を調べる血液検査を行ないました。皮膚炎症状では、湿疹重症度判定(ADASI:Atopic dermatitis Area and Severity Index) スコアを指標として評価しました。(図1)

<結果>

1.湿疹重症度判定(ADASI)スコアでは、「L.アシドフィルスL-92株」摂取群とプラセボ群に
 時間変化パターンに有意差(p<0.05)が認められ、「L.アシドフィルスL-92株」の治療補助
 効果を確認しました〔図2:試験開始時とのスコアの差が大きい(バーが下に長い)ほど、
 皮膚症状が改善されている〕。


2.「L.アシドフィルスL-92株」摂取群、プラセボ群について各々解析を行ったところ、「L.アシ
 ドフィルスL-92株」のスコア減少率の低下が示されました(p<0.01)。ほとんどの被験者で
 症状緩和の有効性が示されています(図3)が、初期症状における層別(軽症・中等症・重
 症)を解析してみると、中等症の方以上の症例で症状緩和の有効性が多く確認されていま
 した。


3.症状・治療スコアについては、プラセボ群では有意な減少は認められませんでしたが、「L.
 アシドフィルスL-92株」摂取群では、有意なスコアの減少(p<0.05)が認められました。ステ
 ロイド軟膏を使用した治療を継続しているなか、その使用程度を示す治療スコアについて
 は、摂取期間を通じて「L.アシドフィルスL-92株」摂取群で低い値(使用量減少)が示されまし
 た。


4.血液検査の結果、炎症のマーカーとなる白血球数では、「L.アシドフィルスL-92株」摂取群
 で低下の傾向が見られています(p=0.0966)。また、Th2を活性化させる因子である
 TARC(Thymus and Related Chemokine)に時間変化パターンに有意差(p<0.01)が認められま
 した。

 

アトピー性皮膚炎患児の症状緩和


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